臨床医の海外雄飛

スイスが国民投票で移民規制承認。スイスを目指す医師はどうする?

スイスが国民投票で移民規制承認。スイスを目指す医師はどうする?

スイスを目指すEUの医師

スイスを目指すEUの医師


スイスで9日、欧州連合加盟国からの移民を制限することの賛否を問う国民投票が行われ、賛成50.3%、反対49.7%の僅差で承認されました。早速EU各国から遺憾の意が表明されていますが、そのEU自身が2014年に予定されていたルーマニアとブルガリアからの検問廃止を延期しました。東欧からの低賃金労働者の流入を懸念するドイツの主導です。

スイスはEU加盟国ではありませんが2002年6月1日に発効したスイスと欧州連合の間の人の往来の自由に関する協定にもとづいてEU各国からスイスに流入する移民数が毎年8万人に達し、人口約800万人のうち外国出身者が約4分の1を占めるまでになっています。

ネイティブなスイス人にしてみれば、これほどのスピードで外国人に流入されたら自分の首が危うくなると危惧するのも無理からぬことです。しかし、医療専門職に関して言えばスイスはEUからの労働力が無ければやっていけない国です。勤務する医師の30%が外国人という病院もあります。2009年のガス抜き条項の時も危惧されていましたが、スイスの移民規制は同国の医師不足・看護師不足に深刻な影響を与えそうです。

スイスが国民投票で移民規制支持、EUとの関係に影響も
2014年2月10日 ロイター
[チューリヒ 9日 ロイター] -スイスで9日、移民数を制限するかどうかを問う国民投票が実施され、賛成が50.3%とわずかに反対を上回って可決された。地元テレビが伝えた。
スイスは欧州連合(EU)に加盟していないが、労働力の自由な移動を認める協定をEUと結んでいる。今後EUからの労働力の流入に、一定の制限がかかる可能性がある。
この国民投票は右派の国民党が主導した。賛成多数の結果を受けて、政府には3年以内に法制する義務が生じる。
ソマルガ司法警察相は「これは転機だ。スイスに遠大な影響をもたらす制度変更だ」と述べた。
EU欧州委員会は声明で、投票結果が人の自由な移動という原則に反すると指摘。スイス政府が国民に反対票を呼び掛けていたことも勘案した上で、今後のスイスとの関係にもたらされる影響を検証するとした。
欧州議会のハンネス・スウォボダ議員は「スイスがEUからの移民を止めるなら、現在スイスが享受している経済・貿易上のすべての恩恵を当てにできなくなるだろう。良いとこ取りは許さない」と述べた。
スイス国内では、移民の増加によって固有の文化が浸食されるほか、家賃の上昇や交通の混雑、犯罪増加をもたらすとの懸念が高まっている。年間の移民流入数は差し引き7万人前後で、人口800万人に占める外国人の割合は23%と、欧州内ではルクセンブルクに次いで2番目に高い。

-臨床医の海外雄飛
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