臨床医の海外雄飛

東欧の医師流入をブロックしたいドイツ

東欧の医師流入をブロックしたいドイツ

東欧からの低賃金労働者の流入を懸念するドイツの主導で、EUは2014年に予定されていたルーマニアとブルガリアからの検問廃止を延期しました。両国の法定最低賃金は独仏の1/10近い(記事参照)。検問を廃止すれば豊かなドイツなどを目指して南欧の労働者がどっと流入します。ドイツだけでも数十万人流入するとされ、労働市場に多大な影響を及ぼすことがけ懸念されます。治安悪化も懸念材料です。

欧州の大半は景気低迷、独り気を吐くドイツがEUを牽引している状態です。

「何で俺たちが怠惰な他国の連中を助けてやらねばならないんだ。」
多くのドイツ人は考えています。ドイツ企業はEU拡大で東欧の安価な労働者を使うメリットを享受していますが、国民はそうではありません。血税で他国民を補助するのはいい加減にして欲しいと思っています。

さらに憂慮すべきことには、隣国オーストリアではEU統合後の大ドイツ主義が進んでいます。EUに組み込まれたことにより、「ドイツ人」である意識が高まっているのです。同一民族でありながら分断国家だからです。当然、民族自決の動きにつながります。オーストリアはナチスドイツの敗戦後、ドイツとの合併(アンシュルス)を永久に禁止されていますが今後はわかりません。ナチスドイツという怪物を育てたのが、オーストリア出身ながらハプスブルク帝国よりもプロイセン主導の大ドイツ主義に憧れ、オーストリアの兵役を逃れてドイツで従軍したアドルフ・ヒトラーだったのは偶然ではないでしょう。ヒトラーの追い風になったのは大恐慌時代の不景気とベルサイユ体制への不満です。今更ヤルタ体制に挑戦するドイツ人はいないでしょうが、最早ドイツの足かせになりかねないEU統合を否定して民族主義に走り、大ドイツ主義を出張する勢力が出てきてもおかしくないでしょう。

EU労働者の流入制限

EU労働者の流入制限

記事にあるように、ルーマニア・ブルガリアからは医師の流出が既に起こっています。ルーマニアの医師の月収は6万円。ドイツに行けば10倍稼げるので、流出するのは当然と言えますが、ドイツの医師にとっては有難くない話です。

一方、ドイツの医師はスイスを目指すようです。スイスの賃金水準は高いですが、物価も高いです。ドイツに買い出しに行くスイス人が多いほどです。ドイツ領内に済んでスイスの病院に通勤するのがベストでしょうね。島国の日本では出来ないことです。

-臨床医の海外雄飛
-

© 2021 医師紹介会社ランキング| 医師求人転職サイトの比較と口コミ