臨床医の海外雄飛

日経夕刊連載 黒川清氏の米国医師免許取得

日経夕刊連載 黒川清氏の米国医師免許取得

黒川氏の米国医師免許取得

黒川氏の米国医師免許取得

東京大学名誉教授、政策研究大学院大学アカデミックフェロー、特定非営利活動法人日本医療政策機構代表理事の黒川清氏が日経夕刊「人間発見」で連載中だ。

3月6日掲載分に米国医師免許を取得した際の話が載っている。以下、当該部分を転載する。

(前略)気持ちを切り替え、米国で生きていく覚悟を決めました。その瞬間、競争相手は米国人の医者になり、大きな問題が現れました。研究だけなら日本の医師免許だけでいいのですが、臨床や教育中心の仕事をするのなら、米国の医師免許は必須。自分は研究者タイプじゃないとわかってきたから、選択肢はひとつしかありません。

猛烈に勉強しました。試験は基礎6科目、臨床6科目、そして臨床症例検討の試験を3日間で行います。受験資格を得るための手続きも含めると、受験まで3年かかりました。幸い医師免許は1回で受かりましたが、内科専門医の試験は1回不合格になり、翌年には内科も内科腎臓専門医にも合格しました。資格はすべて取得。これを研究や学会発表、論文執筆、教育、講義などの合間にやるわけですから本当に大変でした。妻に「こんなに勉強している姿は見たことない」と言われました。(後略)

超人的な努力で難関を突破してしまう黒川氏の能力と行動力には脱帽だが、海外雄飛を目指す先生には参考になる記述だ。USMLEは日本国内で受けられる(私は今日まで知らなかった・・・)。少し調べてみるとUSMLEを受けているのは医学生が多いようで、我々のような卒後10年以上のオッサンには難しいかも知れないが、黒川氏の話を読んで年齢は関係ないと感じた。

私の知り合いの80代の外科医のお話。80代になられても現役バリバリでご活躍中。英国に留学経験をお持ちなのだが、最近また渡英され、帰国された後にお会いする機会に恵まれた。「英国はいかがでしたか?」と尋ねると、「EUの医師免許を取ったよ。」とお答えになり、大変驚いた。英国に旧知の友人がおり、誘われて渡英。職場も世話してくれたので思い切ってEUの医師免許を取得。試験は筆記と口頭試問。見事パスして働いているとのこと。私が「凄いですね。」と言うと、
「いや、試験勉強なんて2ヶ月もあれば大丈夫だし、口頭試問もたいしたこと無いよ。相手が青い目だからって物怖じせずに話せばいいんだよ。意味が通じればいいんだから。」
とおっしゃる。80代の先生のチャレンジに胸が熱くなった。

どの国に行くにしても、その国の語学力が一定水準以上ないと受け入れは難しい。それからビザの問題がある。決して楽なハードルではない。この問題については海外移住情報・日本人医師の海外臨床研修、研究留学、海外医療免許のページが詳しいのでご興味のある先生はご参照願いたい。

本記事を読まれている高校生には日本の医学部ではなく米国の医学部をお勧めするし、医学部の学生には最初からUSMLE→米国で研修をお勧めするが、既に日本で医師をされている先生が海外移住を前提に頑張るのは難しいだろう。米国で研修医をやり直しになるから、目先の収入は今よりも落ちる。家庭もあって子供も居ればリスクを取りにくなる。しかし、TPPによって加盟国内で医師免許のクロスライセンスが認められる可能性に備えて英会話力・英語での診療力の準備けはしておいたほうが良いだろう。次の震災など不測の事態が起きた際に海外避難するとしたら英語が通じる国だろう。英語の勉強も兼ねて、step2まで国内で受験できるUSMLEを受けておくのが良いだろう。

-臨床医の海外雄飛
-

© 2021 医師紹介会社ランキング| 医師求人転職サイトの比較と口コミ