臨床医の海外雄飛

東欧の医師がドイツを目指す。 アジアの医師が日本を目指す恐れは?

東欧の医師がドイツを目指す。 アジアの医師が日本を目指す恐れは?

東欧の医師はドイツを目指す

東欧の医師はドイツを目指す

2013/04/07 日本経済新聞朝刊 地球回覧の記事。
債務問題に揺れる欧州。西欧諸国の失業率が上がり、排外主義の危険が増大している。2014年1月からは新たにルーマニア・ブルガリアからの労働者が自由に西欧に行けるようになるため、東欧からのさらなる労働者の流入に神経を尖らせている実情がわかる。

今回の記事で取り上げられていたのはルーマニアの医師。医師になっても月給が6万円なので国外流出が止まらないようだ。「ドイツかオーストリアに行くためにどんな努力もする」と。

次にご紹介するのは2年前の記事。
ちょうど2年前に2004年加盟のポーランド、チェコ、ハンガリーやバルト諸国の労働者が自由に西欧に行けるようになったのだ。ハンガリーでも事情は同じようだ。
>ブダペストで外科医の助手を務めるアニコ・シモニチさんは「ハンガリーの医療従事者は低収入で、25年務めても月収は12万フォリント(約5万5千円)。ドイツなら8~10倍は稼げる」と話す。
これなら根性のある医師は皆ドイツを目指すだろう。

この記事を読んで気になったのは、少子高齢化で労働力人口、特に介護の人手が足りないドイツは我が国とよく似ていること。日本はインドネシアやベトナムから介護士・看護師を入れようとしているがうまくいっていない。日本の医師免許は今のところ高く立ちはだかってくれている。TPPでクロスライセンスの話がが出てくるかどうかを知りたいところだが、TPPの交渉内容は4年間秘密にされることになっており、実際始まってみなければどういう内容になるかはわからない。EUをTPPに置き換えて考えてみると、マレーシア・ベトナム辺りが日本に労働力を送り込む可能性のある国だ。

「大欧州」統合へ、労働者の移動完全自由化
2011/5/1 日本経済新聞

【ベルリン=菅野幹雄】欧州連合(EU)に2004年に加わったポーランドなど中東欧と西欧諸国との間で、労働者の移動が5月1日から完全に自由になる。賃金水準の違う新旧欧州に残った障壁がこれですべて消滅、“大欧州”の統合がまた一歩進む。ドイツなどでは専門職の人手不足緩和に対する期待と、単純労働者らの雇用が脅かされるとの不安が交錯している。

EUは04年の東方拡大に際して、西欧各国がポーランド、チェコ、ハンガリーやバルト諸国といった中東欧8カ国からの労働者の移動を最長7年規制できる移行措置を設けた。東側からの労働者流入を警戒するドイツとオーストリアは最後まで規制を続けたが、4月末で期限が切れる。

独労働社会省幹部は20年までに中東欧から130万人の労働者が自国に入ってくるとの推計を示した。一方、高齢化の影響でドイツではこれを上回るペースで労働力人口が減る。向こう10年で25万人の介護士が必要と見込まれるなど専門職の充実も不可避。労働力流入はプラス材料でもある。

EU拡大後、中東欧の労働者は規制のない英国や北欧に向かい、東西の賃金格差も縮まった。「労働移動の自由化は遅すぎた」と論じる独メディアもある。

独ゲッティンゲン在住で介護士のポーランド人、ドロタ・コステラさん(39)は「中東欧の労働者に対する悪いイメージが改善できる。ポーランドの看護師や介護士の教育水準は高い」と期待を強める。ブダペストで外科医の助手を務めるアニコ・シモニチさんは「ハンガリーの医療従事者は低収入で、25年務めても月収は12万フォリント(約5万5千円)。ドイツなら8~10倍は稼げる」と話す。

西欧には隣国からの労働者の流入を警戒する空気も根強い。オーストリアの専門組織の世論調査では「社会保険料負担を逃れるなどの不正が横行し、雇用市場の混乱に拍車がかかる」との見方を6割の人が支持した。

ドイツの労働組合からは、中東欧の労働者流入で賃金の切り下げ競争が起きかねないとの警戒論も聞かれる。業種や地域ごとに労使で決める最低賃金の引き上げに続き、法定の最低賃金を求める議論も出ている。

人も物も域内を自由に往来できるというのが、欧州共通市場の前提。労働移動の自由化が雇用市場の不釣り合いを是正し経済の活性化をもたらす可能性もある。少子高齢化が進む日本の移民受け入れを巡る議論にも参考となりそうだ。

-臨床医の海外雄飛
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